劉軼男 インタビュー


― この作品を作りたいと思うきっかけは?
文化大革命を彷彿とする夢を見たのがきっかけです。今回の大半の展開は、夢に基づいたことです。夢を通じて、経験したはずのないことを実際に体験して来たように感じ取れました。夢と現実との繋がりは、単純に現実から夢への反映だけではなく、夢も現実に影響を与えていることを改めて感じました。その夢から得た感覚と夢と現実の関連性を作品に取り入れたくなりました。

― 今回と今までの制作と違ったところ、挑戦してみたところありますか?
今回はようやくカットとカットのつながりを考えて、ビデオコンテを作ってから作画するように段階を踏んでやってみました。今までの個人制作では、イメージがあってからもうすぐに作画に入り、偶然性を取り入れながら作ってきたんです。今回のモンタージュのやり方で、じっくり演出を考えることができましたが、やはりタイミングは難しいです。

― 作品を作るとき一番苦労したことは何ですか?どうやって乗り越えましたか?
実体験(夢)の話との距離をどう捉えていけばいいのか、ということに一番苦労しました。できるだけ客観的に見ながら、引き算と掛け算の繰り返しで作ったんですが、実際に乗り越えたかどうかはまた未知です。

― 次の目標はなんですか?
卒業して環境が変わっても、自主制作をちゃんと作り続けることです。一人の作家として、どう長く作り続けていくかは、藝大にいる間に色々考えさせられました。自分の制作ペースを保つのを習慣のようにちゃんと身につけたいです。

― 好きな作品を教えて下さい(映画・音楽・本etc.)
近年は、エドワード・ヤン監督の作品全部好きで、特に『ヤンヤン 夏の想い出』です。2019年だと、映画『ローマ』と「目[mé]」の個展『非常にはっきりとわからない』に1番圧倒されました。

― 1000万円あったらどう使いますか?
小さい映画祭を中国のどこかでやりたいです。あるいは、アニメーション、映像作品の展覧会を企画し、一か月以上に公開したいです。1000万円は一回分の運営にすぐに使い切るのでしょう。やるなら、もっと続いてほしいなあ、と思います。続きはまた真剣に考える必要がありますね。